箱型擁壁工法が標準設計で採用している「基礎部かごテンサー」は、箱型擁壁の壁体や背面地盤を支えながら、基礎地盤に加わる様々な荷重条件を、フレキシブルに伝える重要な役割を果たしています。 |
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一般に斜面状地盤に構築された擁壁では、大雨や突然の湧水などにより擁壁の基礎地盤や根入れの一部が洗掘されて、地盤の変状と共に基礎部には集中的な応力を受け易くなります。特に一般的な剛性型の基礎では、ひび割れが発生すると地震動などの応力によりそれが増幅して、擁壁自体のひび割れ破壊や崩壊などに至る場合があります。
箱型擁壁工法を構成する「基礎部かごテンサー」は、フレキシブルで強固な一体型の基礎盤であり、基礎部のひび割れを未然に防止して、その基礎地盤の変状に伴う集中応力を分散する役割が有ります。
鉄道の軌道バラスト(鉄道用単粒度砕石)は、そのせん断抵抗力を利用して大きな列車荷重の衝撃などを低減していますが、箱型擁壁工法の「基礎部かごテンサー」は、さらにこの単粒度砕石をジオグリッドで連続的に拘束した一体型の基礎盤であり、大規模地震動などの過酷な荷重条件をより低減させる効果があると言われています。